銃と無関心、どちらが怖い?

昨日投稿した、ちょっといい話に、「日本だったらどうだろう」とFacebookでコメントしてくれた友達が何人かいたので、この春、日本に帰った時のちょっと悲しいお話を今日はします。

桜が美しい季節に帰った私は、初めて花粉症のような症状が出ました。今までは「花粉症って大変ね〜」とは言いつつも、そんなに大変とは思ってなかったんですよねえ。

ところが、自分がいざなってみると、喉から胸にかけて呼吸器官がキューっと狭まって息ができなくなった。目も鼻も開いてられない状態。パニックを起こしそうになる自分に、アレクサンダーテクニックを適用する。体を縮めるのではなく、緩める、と言い聞かせて。

たまたま近くにあった薬局に飛び込み、薬をその場で服用。なんとか収まったものの、数日後、今度はバスの中で突然呼吸困難に陥り、苦しくて倒れたことがありました。

 

でも、バスの中の人は誰一人声をかけてくれなかったし、運転手に至っては「終点で車庫に行きますがいいですか?」とシルバーシートでうずくまっている私に聞いてきた。

 

「オメー、私が苦しんでいるのが見えねぇのかー?回し蹴りの刑だぁ!」と心の中で思う余裕もなく、転げるようにして下車しました。京王バスです!プンッ!

そして降りてすぐのところにある自動販売機の下にうずくまっていたけれど、その時もだーれも、声をかけてくれる人はいませんでした。何人かは、自販機で飲み物を買っていましたけどね。。。

 

これはショックでしたねー。我が母国、日本の皆さま。私はヤバイ人に見えましたか?関わりたくないような危ない人に見えましたか?

 

よく「アメリカは銃社会だから怖いよねー」と言われますけど、銃で犯罪を犯す人は、人口の1%もいないんですよ。

 

大半は困っている人がいたら、手を差し伸べる人たちです。

 

大半の国民が、他人に無関心の国の方が、怖くないですか?

 

今、自分の友人たちの顔を思い浮かべて見た。一人残らず、間違いなく、手を差し伸べる人たちだ。よかった。

 

 

きっとあなたも。

助けて!と隣人が叫んだら

夜中の2時ごろ、外で呻くような声がして目が覚めた。耳をすましていると、その声は段々に大きくなり、どうやらヘルプ!と叫んでいるよう。

 

恐る恐るブラインドを少し開けると、向かいの住人のお婆さんが、その声の主だということがわかった。

「大丈夫ですか?何かあったの?」と外に出て距離をおきながら彼女に向かって声をかけてみる。それには返事なし。

そのうち「隣に人殺しがいる!」と叫び始めた。

 

マジか!マジか!マジか!
家に戻り、携帯から911に電話をして(アメリカ生活初の911)状況を説明する。

でもまあ、正直、人殺しがいる雰囲気ではなかったんだけどね。真夜中の静かな住宅街(しかもゲート・コミュニティ)、そのお婆さんの声以外、何も音はしないのだから。

それでも胸の鼓動はドキドキ。肩で息をしている感じになり、肩から首にかけて、硬直しているのがわかる。

呼吸に意識を持っていき、いつの間にか食いしばっていた歯からも力を抜くために、顎関節のスペースを思う。

 

 

しばらくしてポリスが我が家に来て「あのお婆さんは、幻覚・幻聴があるんです。歳ってこともあるのでしょうが、時々混乱してしまうんです。僕たちも気をつけて時々来ています」との説明をして帰って行った。

まあそういうことなら、心配ないね。。。。と思ってベッドに入るが、興奮しているのか眠れない!また顎関節のスペースを思う。すると、知らない間に入っていた余計な力が全身から抜けて、ベッドの中に体が沈み込んで行くのがわかった。

眠りについた頃、ばーちゃん、今度はガレージドアをガンガン叩き、再びヘルプ!と叫び出した。

 

もう怖くはないけど、迷惑ではある。どうしようかな、、、、と思って外を中から眺めていると、隣の若い夫婦が出て行って、お婆さんと話し始めた。まずは夫のピーター君から。そして、落ち着いた頃、奥さんのアレクシスが肩を抱いて家の中に連れて行ったのだ。

 

これは目からウロコの行動だった。

 

ちょっと頭がおかしくなった老人に対して、彼らは本当に優しく話を聞いてあげたのだ。夜中の4時に。なんて素敵なカップル!

 

私には、正直なところ、そういう選択肢はなかったなあ。夫が不在ということもあったけど、いたとしても、どうだろう。出て行く勇気はなかったと思う。ポリスに連絡するのが精一杯。

 

それからも時々、お婆さんはヘルプ!と叫んでいたけれど、そのたびに、近所の人たちが代わる代わる、話を聞きに行っている。5分の話し相手になっているのだ。

 

なんか、すごくないですか、これ。

 

そのうち、段々にお婆さんも落ち着いてきたのか、ヘルプと叫ぶことがほとんどなくなりました。

 

いい話なので、シェアしたくて書きました。

海に放り出されたら、どうする?

3週間ぶりにレッスンにやってきたマリーは、日焼けした笑顔で、バケーションでの出来事を少し興奮したように話してくれました。

 

ダンナさんと一緒にカタリナ島までクルージングし、陸から少し離れたところにボートを停泊させ、そこからカヤックで一人、海の散歩に出かけたときのこと。

 

それまで静かだった海が、突然荒れ始め、マリーはカヤックごとひっくり返ってしまったのだそうだ。

 

そんな時、あなただったらどうしますか?

 

彼女が最初に思ったことは、なんと!

 

「首を自由にする (Think of neck to be free)」 だったと。

 

怖かったり、パニックに陥ると、人間だけに限りませんが、動物はみんな体を固めてしまうものです。そのことに気づいて、意識的に緊張を解放することで、冷静に次の行動に移れる。

これはアレクサンダーテクニックの基本ですから、何度も何度も私と学習してきたマリーは、本当に窮地に陥った時にも、この方法を活用することができたのです。

 

私は思わず、嬉しくてハグしてしまいました!

 

無事でよかったという思いより、どちらかというと、よくぞやった!という感激です(笑)。まあ、彼女は私の生徒さんの中でもレッスンを最も長く3年も続けている人ですからね。

 

自分の使い方をレッスンで学んで、一歩スタジオを出たら忘れてしまうのでは、本当のところ意味がない。日常生活で使えるようになるまで、何度も何度も意識する。それが無意識になるまで。彼女はそこまで到達している数少ない生徒です。

 

その後マリーは、カヤックを立て直して、停泊しているボートまで戻る間も、恐怖と孤独に負けないように、自分で掛け声をかけて漕いだのだそうです。

「イチニッ、イチニッ」じゃなくてね、

「肩の力を抜いて(Relax my shoulders)」

「首を自由に(Free my neck)」

「鎖骨、肩甲骨 (clavicles, scapulas)」

 

「肩の力を抜いて(Relax my shoulders)」

「首を自由に(Free my neck)」

「鎖骨、肩甲骨 (clavicles, scapulas)」

 

「肩の力を抜いて(Relax my shoulders)」

「首を自由に(Free my neck)」

「鎖骨、肩甲骨 (clavicles, scapulas)」

 

なんとユニークで、具体的な掛け声!👍👍👍👍👍👍

 

40分も漕ぎ続けたのに、余計な体力を消耗せずに辿りつけた!と誇らしげに報告してくれました。

 

ここだけの話だけど、マリーは60歳を過ぎているんですよ。でも、すごくアクティブ。週に2回ウェイトトレーニングとヨガ、週に1回アレクサンダーテクニックをやり、週末はダンナさんとボートで海に繰り出したり、女友達と旅行に行ったり。

 

歳を重ねても元気で美しくいるのって、そういった自分の心身のメンテナンスを欠かさないってことだなあ、とつくづく。

 

いやあ、あっぱれ、マリー。

病は地団駄を踏んで悔しがっているだろう

大切な友人が亡くなり、Sitting Shivaというユダヤ教の儀式に参加しました。親しい人たちが彼らの家に集まり、亡くなった友人との思い出を語り、素晴らしい人だったことを再認識し、悲しみを分かち合い、慰めあうという素敵な時間でした。

非常に珍しい難病で、発見が遅れたこと、発見されても事例が少なく打つ手がないこと、それに加えてアクティブな癌だったこと、、、などあり得ないほど辛い事実を突きつけられても、友人は、これまたあり得ないほどいつもポジティブで、笑顔でした。

もうとっくに心が折れてしまってもおかしくない状況が何度も何度もやってきたのに「なるようにしかならないから。心配してもしょうがない」と笑って、崩れそうになる周りの人たちを勇気付けてきたのです。

私は、彼のこの楽観的なお気楽さに、病気も慌てふためいて逃げ出して行くのではないかと、心底思ったほどでした。

1週間ほど前、ホスピスケアで家に戻ってきた友人と奥さんに、少しでも楽になってもらいたいとの思いで、私ができることをさせてもらいました。

もう会話もままならない友人でしたが、私がカレンさんにワークしていると、ふと目を覚ましてこちらを向き、音にならない声で I love you と彼女に向かって呟いたのです。突然のことに、私まで泣き出してしまいそうでした。

彼が肉体から離れる最後の時も、唇を前に突き出し、キスを送ってお別れをしたと聞きました。

長い間闘いを挑んできた病は、最後の最後まで友人の優しさや穏やかさや溢れる愛情を変えることができず、地団駄を踏んで悔しがっていたことでしょう。

昨日のsitting shivaで、カレンさんが友人と付き合い始めた時の楽しいエピソードを披露してくれました。日本人で感情を表に出すのが苦手な彼が、初めて彼女にMy sweetheart(愛情を込めた呼び方) と言った時、発音が悪すぎてMy feet hurt ( 足が痛い)と聞こえ「え?足が痛いの?」 と聞き返してしまった、、、と。

家の中は大爆笑!

数十年前のその時の彼は、まさか、このことが悲しみの中にいるみんなを笑顔にさせてくれることになるなんて思いも寄らなかったでしょうね。でも、友人はそんな人でした。私たちに、いつも笑顔を運んでくれる人でした。

出会いに感謝です。ありがとう。

機内でも、首を自由に。

ロサンゼルスー羽田の夜行便で東京に向かうというのに、ネックピローを忘れてきました。ネックピローなしのエコノミー席、長距離フライトは久し振りなので、不安がいっぱい。それほど、私はネックピロー信者なんです。

”腰痛持ち”だった頃は、飛行機に乗るたびに、腰痛がひどくなってました。もう100%。

 

その頃は、自分のことをまるで”腰痛持ち”という持病でも抱えているかのように思っていました。実際には、持病ではなく、腰痛になるべく体の使い方の習慣を持っていたのですが。

腰痛になるべく体の使いとは?

それは、頭が首(背骨)を圧迫させるところから始まります。

 

これを防ぐべくして、私たちはアレクサンダーテクニックのレッスンを通して、体の使い方を学びなおします。ただ、座って寝るような時はネックピローのお世話になったほうがいいですよね。寝ちゃったら、わからないですから。

ほらっ、口を開けて寝てたり、頭がうなだれて隣の人に枝垂れかかったり(すみません、どれも私です!)、体の使い方からみると、どれも背骨を圧迫させています。

ですので、むち打ち症の人が首にコルセットをするのと同じような効果のあるネックピローを使えば、背骨に負担をかけずに眠ることができるというわけです。

 

はい、今回はネックピローなしで寝てしまったので、正直、首痛いです。背中もカチカチ。腰のあたりも怪しかった。

ただ(えっへん)対処の仕方を知っているので、昔のように、ひどくならずに羽田到着!あー、よかった。

今回のワークショップでも公開するディープストレッチを機内でやってきました。

無理やり体をひっぱるのではなく、体の方向性を思うことで、ゆっくりと深いところから、縮んだ筋肉を解放させて行くやり方です。これは、オフィスでもどこでもできるので、ワークショップにいらっしゃれない方達にも、近々何らかの形で公開したいなあ。

やっぱり動画かな。