1)カラダのデザインにあった「使い方」をしていますか?

FullSizeRender小さな子どもたちは、身体も柔らかく、のびのびと快活で、エネルギーに満ち溢れています。肩こりや腰痛持ちの子どもなんて、聞いたことがありませんよね?私たちもかつては、その子どもたちだったのです。一体どこでなにが起きたのでしょう?

「気をつけ!前へならえ!」たとえばこの号令。小学生の時から私たちは何度聞いたことでしょう。その号令に従って、胸を張りませんでしたか?背中を押しませんでしたか?足にぎゅっと力を入れて立ちませんでしたか?

そのどれもが、身体を固めて自由を奪う動きです。でも、それが“良い姿勢”だと思っている私たちは、しばしば身体を固めるのですが、身体には相当な負担がかかりますから、その姿勢は長続きしません。そのうち疲れて首が押し下げられ、顎が出て、背中も丸まってしまいます。

これはほんの一例ですが、このように教育や社会の仕組みの中で、あるいは長い文化の歴史の中で、私たちは身体のデザインにふさわしくない動きを強いられ、気づかないうちにそれが習慣となり、結果として自分で身体をいためつけてきていることが多いのです。

慢性的な肩こりや腰痛を持っている方は、けっこう多いのではないでしょうか。実は私がそうでした。「元々身体も硬かったし、毎日忙しいし、ある程度歳をとったら痛みとつきあっていかなくてはいけないものだ」と思っていました。もちろん、この私の“思い”は大大大間違いです。

体質のせいでも、忙しさのせいでも、歳のせいでもなく、私の場合は、日常の些細な動作のひとつひとつが、少しずつ、でも長い間、私の身体を虐待していたのです。

この気づきは、ショックでしたが、納得しました。痛みを生みだしているのが自分の行動なのだから、いくら素晴らしいドクターに出会って治療していただいても、その行動をやめなければ、いずれまた痛みはやってくる。“慢性的”というのは、そういうことなのですね。

これがキッカケとなり、私はアレクサンダー・テクニックを勉強するようになりました。もう100年以上も前からあるテクニックですが、今でも古びることなく使えるのは、単なる流行りではなく真理だからでしょう。

ジュリアードを始めとするパフォーミングアーツ系の学校では授業でも取り入れていますし、俳優やアスリートたちは自分たちの技術の向上のために勉強する人が少なくありません。

この場をお借りし、私が学び実践してきたことを読者の皆さんにシェアさせていただくことで、なにかお役にたてれば本当に嬉しいです。来月号から【カラダ取扱説明書】の本題に入ります。どうぞ、お楽しみに。

 

 

【カラダ取扱説明書】人間のカラダは、すべてのパーツが効果的に機能しながら、全体が調和されて動くよう精密に製造されております。末長く、美しく、快適に使用するために、ご使用上の注意事項をあらかじめお読みください。

1)首は常に柔らかさを保ち、余計な力を入れない。

2)頭を押し下げない。

3) 胴体が長く広くなれるように解放する。

(Orange Network 2015年3月号に掲載)

 

 

 

 

あわせて読みたい