助けて!と隣人が叫んだら

夜中の2時ごろ、外で呻くような声がして目が覚めた。耳をすましていると、その声は段々に大きくなり、どうやらヘルプ!と叫んでいるよう。

 

恐る恐るブラインドを少し開けると、向かいの住人のお婆さんが、その声の主だということがわかった。

「大丈夫ですか?何かあったの?」と外に出て距離をおきながら彼女に向かって声をかけてみる。それには返事なし。

そのうち「隣に人殺しがいる!」と叫び始めた。

 

マジか!マジか!マジか!
家に戻り、携帯から911に電話をして(アメリカ生活初の911)状況を説明する。

でもまあ、正直、人殺しがいる雰囲気ではなかったんだけどね。真夜中の静かな住宅街(しかもゲート・コミュニティ)、そのお婆さんの声以外、何も音はしないのだから。

それでも胸の鼓動はドキドキ。肩で息をしている感じになり、肩から首にかけて、硬直しているのがわかる。

呼吸に意識を持っていき、いつの間にか食いしばっていた歯からも力を抜くために、顎関節のスペースを思う。

 

 

しばらくしてポリスが我が家に来て「あのお婆さんは、幻覚・幻聴があるんです。歳ってこともあるのでしょうが、時々混乱してしまうんです。僕たちも気をつけて時々来ています」との説明をして帰って行った。

まあそういうことなら、心配ないね。。。。と思ってベッドに入るが、興奮しているのか眠れない!また顎関節のスペースを思う。すると、知らない間に入っていた余計な力が全身から抜けて、ベッドの中に体が沈み込んで行くのがわかった。

眠りについた頃、ばーちゃん、今度はガレージドアをガンガン叩き、再びヘルプ!と叫び出した。

 

もう怖くはないけど、迷惑ではある。どうしようかな、、、、と思って外を中から眺めていると、隣の若い夫婦が出て行って、お婆さんと話し始めた。まずは夫のピーター君から。そして、落ち着いた頃、奥さんのアレクシスが肩を抱いて家の中に連れて行ったのだ。

 

これは目からウロコの行動だった。

 

ちょっと頭がおかしくなった老人に対して、彼らは本当に優しく話を聞いてあげたのだ。夜中の4時に。なんて素敵なカップル!

 

私には、正直なところ、そういう選択肢はなかったなあ。夫が不在ということもあったけど、いたとしても、どうだろう。出て行く勇気はなかったと思う。ポリスに連絡するのが精一杯。

 

それからも時々、お婆さんはヘルプ!と叫んでいたけれど、そのたびに、近所の人たちが代わる代わる、話を聞きに行っている。5分の話し相手になっているのだ。

 

なんか、すごくないですか、これ。

 

そのうち、段々にお婆さんも落ち着いてきたのか、ヘルプと叫ぶことがほとんどなくなりました。

 

いい話なので、シェアしたくて書きました。

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