F.M. アレクサンダー

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発見とは、すでに存在している真実を見つけ出すこと。
なにかを新しく創り出しているわけではないのです。
重力はニュートンによって発見されましたが、ニュートンが造ったわけではありませんね。
F.M.アレクサンダー氏の発見は、思考も感情も体もすべてがひとつになった自分自身のメカニズムでした。
彼は、多くの科学者たちが観察と実験を繰り返したように、長い年月、鏡を使い、自分自身の使い方を観察し続けました。

フレデリック・マサイアス・アレクサンダー氏は、1869年生まれ。オーストラリアで成功していた俳優でした。ある日、シェイクスピアの朗読の舞台に立つと、声が出なくなります。医者に行っても「少し休みなさい」と言われるだけで原因はわかりません。しばらくして声が戻ってきて、再び舞台に立つのですが、大切な公演で完全に声を失ってしまい、絶望のうちに舞台をおりることになりました。

ここが、発見への扉でした。

彼は医者にかかるのを一切やめ、舞台の上でどのように体を使っていたかのかを鏡の前で観察し始めます。「なぜ自分の声が出なくなったのか」原因究明に没頭しました。ところがしばらくすると、自分の興味は、”手っ取り早く、失われた声を取り戻したい”という点ばかりだったということに気がつきます。そして、声だけでなく、すべての活動におけるあらゆる肉体の使い方に魅せられていきます。

最初の発見は、「首をこわばらせる」ということでした。体を動かそうとすると、必ず首の後ろがこわばり、アゴを突き出すように頭をそらせていたのです。これは、舞台の上だけでなく、日常生活でも同じことが見られました。

首をこわばらせて、頭をそらせる → 背中がおされて、胸がつきあがる

どんな動作をする時も、最初にこの一連の動作を行っていたのです。そして、このことは、自分にだけ起きているのではなく、多くの人が同じようなことをして、様々な活動が妨害されていることに気づきました。この発見により、アレクサンダー氏は声を完璧に取り戻しましたが、俳優仲間を中心に彼の助けを必要とする多くの人たちのために、俳優をやめ、英国、米国に渡りアレクサンダーテクニックの教師として活動し始めます。

政治家、実業家、映画俳優、外交官、運動選手、ジャーナリスト、科学者、、、様々な職業の名のある人たちが、彼に教えを乞いました。現在では、彼の弟子や生徒を通して、世界中にアレクサンダー・テクニックの素晴らしさが伝わっています。